set

不眠症の花びらたち
未完詩集
Illuminations
天国ならばまた会える

01

あなたの地平を愛してる
空っぽな僕を1%だけ埋める巡礼の旅
対向車線のまぼろし
ひかりという研ぎ澄まされた欠損
私を化石にするひと
心臓はあまりに凍えていた
致死量の林檎飴
せめて鮫に食べられて死にたい
斑の舌
きみのための柔らかいねむり
二千時間のお釈迦様
いくつもの嘘から見つけた本当
あの夜の夏祭の匂いを覚えている
おつかれさま、みかづきあつめておきました
パノラマ・パラノイア
辛めのシュガードーナツ
舌で転がす7度8分の微熱
脳みそに鮮やかなジェラートを
首筋にジャニス・ジョプリンを飼うひと
君の猫背に罪科は重すぎた
僕を殺すだけの簡単なカルマ
鋭角の夜が明けるまで
まっくろ混沌でできてて世界
背骨だけでダンスを踊りましょう
心中未満/倒幕事変
毒を食らわば地獄迄
あやし夜半の星
泥のなかに永遠
大人になれない系おとなたち
勝ち逃げの美学
最果ての星を喰っちまえ
引き合うさびしさの引力
お互いのためのお互い
燃えたらおしまい
輝きが生まれるだけの産声
ダイヤモンドの底では踊れない
きっと何度も夢見た綺羅星
世界のすべてを愛するということ
アイ・ラブ・ユーは舌先で苦い
幸福のしっぽのにおいがする
毛糸玉でつくったお月さま
琥珀を隠したてのひらに
ミルクに溶かす金色とたてがみ
あらゆるひかりの糸を編み込めば
頂の星がよく見える劇場
ワンダー・サテライト・ランド
コバルトブルーの怪物を飼っている
ミラーボールの隙間に忍び込む
こどもの国ならわるい子でいられた
隕石が降るよるに

燈台の火で北極星も燃やせる
きみがしんだら許してあげない
ハロー、ハローの群れが集まるよ
十二星座の羽根飾り
今晩未明、神さま焦土を抱く
捕まえては消えるまほろばのおばけ
フラットラインを砂漠にしよう
ピンク・プラネットの住人
眩い光が咲くところ
黄金列車のおとなたち
禍つ泥
神はなくとも火は灯る
仮想死を弔う
微分学と君の落下速度
死兆星の呼び声
愛も心臓もまがい物
宝石みたいな鱗のひと
血があかい薔薇ならば
五十二行の空想紀行
わるい子はサーカス小屋に
ハッピーチョコレートの魔法
日本式( ジャパニーズ)イリュージョンのまぜこぜ
海亀になってしまったのは一体だれ?
アラザンを食べる宇宙人
無意識と電波『只今画像が乱れていまス』
まっくらくらやみ夜が降る
みっつとろけてお月さま
わたしが宇宙飛行士だったころ
オリオン星が呼んでいる
きんいろ森とよるの王子様
ティースプーンだけの余剰
氷塊の巣
ぼくは木星のぶぶん
紋の葬列
染まれども純潔
憂き世炎上
涅槃に夢みし撃てよ国民
依存依存狂依存
まるで拷問染みたマゾヒスティック絶頂
DER GOTT DER HUND
墜落[カウントダウン7]
生者としての皮
わたしの肋骨は王様のもの
寒冷地にて
幽霊船にはもう乗れない
深く沈めて花水葬、浮かべたるは
テンペストの寄生
葬列に蔓延る手
喪に服した鴉は三千世界の夢を見る
青き路抜ける、花ざかりの森

02

あまくないどく
ママにだって秘密
花か蝶か流れ星
飛び込んでよミルククラウン
A pink rabbit falls into the dream.
眠りと夢の狭間のαρχη
いちばんにあいされたい
首都高で煌めくスパンコール
誰かの願いになれますように
ファンファーレは祝福の為なんかじゃない
爪先立ちの兎は踊る
シュガーリィは魔法仕掛け
いつか重なるみっつの心音
アネモネの首輪を繋いで
世界が終わる日が来ても、わたしたちは
夢見がちなジュエルボックス
人ならざるキャンディポップ
曹達水の泡になる私のかわいい亡骸
これは進行性のやまいです
甘いものしか食べられない女の子だから
少女たちの無間地獄
鏡の中のあなたは虹色の目をしている
神さまではないから何も知らない
手から林檎が落ちるように環状線はぐるりと巡る
きみは宗教、ぼくの信仰
日曜日のねじまき鳥
この劇場には喝采が溢れている
誰が為のカサブランカ
世界から零れ落ちた薇から生まれた
宇宙の煌めきが消えてくみたいに
冷たいって悲しいね
宝石の雨は東の街に降る
おやすみ宇宙船
みっつのきらきら詰め込んで
羅針盤は星を越える
サファイアの愛と心臓
一七九九年のシュプレヒコール
秘密の宝石にそっとくちづけて
ぼくらは祈りの言葉を持たない
箱庭の流れ星だってわたしの奇跡
終焉のひとひら
愛と革命の千年戦争
落ちた先はしあわせのくに
シンデレラ・ララバイ
加速する愛を一から定義せよ
少女は亡霊が怖いのです
光ふる虹の狭間
オブシディアンの輝き
時計仕掛け、ゆめゆめ仕掛け
天国と美しき愛の幕開け

我が愛を喰らえ
わが哀をくらえ
愛国者におくる血塗れポロネーズ
カミサマダアレ
天国へと至るルルべ
皮下は宝石
綺羅星スイマー
海にも月はあるみたい
金星のリボンをほどいてごらん
変光する一等星
シュガースパイス・パレイド
双生児の誤謬
あの星は君のキスの味がした
ねむたい木馬
花喰い少女
るる縷縷るるりらら裏とうら、
「人は魚から産まれたの」
瞼の裏のメランコリィ
夢のあと
ポルノグラフィ新時代
喪失の朝
蘇生する夜
誰が王さま殺したの
銀河の光輝
宇宙の神秘を科学する
つがいの春も咲いている
元素の恋人
カーテンコールは無数の雨のように
やさしい世界に魔法はあるよ
気をつけて、花頭は嘘つき
人形の腸は真綿
星の悪食
兄の顔したばけもの
甘い血の匣
夜明けまえに(おさらばさ)
おやすみなさい、灰になるまで
喰えよ、喰えよ、喰えよ、そのフォークは純金
飽食、くって、くって、嘔吐
見世物小屋の神様
ギリシア的悲劇に洗脳された或る愛の叙情詩
虹の脱皮
蛇の七色
青にくわれた残滓
サナギ色の躰
果てでぼくは
過去からの錯綜。そして病人は2度死ぬ
百色万華鏡
惑星は冠をはずす
私の大部分は宇宙でできている
辿り着くのは美しい終わり

03

蛍る少女
愚者の哲学
like heaven
王子さまのキスの呪い
瞬きごとにマテリアの海
ラヴシック・シンドローム
星はしずかに水没する
悲しみはいつまでも降り注ぐ
真夜中のパレード
ただこれが幻想であるように祈るだけ
お前にも明けない夜が来る
まっくら森では眠れない
薄氷は爪先で歩く
ぼくたち以外は絶滅しました
シガーもシュガーも愛せない
突き立てたフォークの先と無菌室
天上のいちばんぼし
きみの明星にふれる
天国の端っこをみたことがあるかい
絡む指先ばかりがつめたい
これはひとつの秩序
この心臓尽きるまで
アンタレスは永遠に燃ゆる
午前零時の不完全なまぼろし
鳥籠の夜に月を捕まえにいこう
エメラルドの天使は羊毛の衣をひるがえす
いつか流星になる朝に
魂を消すということ
宇宙の終わりを知っていた
消滅する双子星
ネオン街の子供達
愛しきキャラメリゼ
きみと同じ轍をふんでいる
視線のゆく先は残光
まぼろしの裁定者
お前の敵を愛せ
夢をみる鯨
泥濘の春
ベガの申し子
夢と現の交差点
よるの生き物図鑑
夜が駆け出すよりも早く
迷い子の夜が泣いている
星と夢はどちらが重いか
もう何度目かのこわい夢
擬態する星座をコラージュして
ナイトフライトに重力はいらない
盤上で血を吐くホトトギス
果てない水平線のエメラルド
さびしいぼくらに雨が降る

レイニー、傘に入るかい
群青に溺没
美しいひと
親愛なる弱き者へ
あるときは鰐をたべました
きみは星吐き
金色にランタン
ぼくの肯定をきみにあげるよ
ゼロとイチの亡霊
サイハテユーレイ
目かくし奇談
瞑目せよ魂
産まれる意思など御座いません(読経を)
幽霊街
お気に召すまま書きなぐれ、世界は自分で自分は世界だ
産卵する意思
思考と信仰
1950年のオリンポスでコオヒイのような夜をのみほす
名もなき少年のための未刊詩集
ひとつ星にかえすたび
トルバドゥール一人闊歩
詩人になるにはほんの少し悲しみが足りなかった
世界の端っこに隠したうつせみ
底は常闇
21世紀という平和で退屈な世界
いつか雨がやんでしまったら
完全な円になりたい
少しだけ永遠に似たさよなら
五臓六腑を燃やし尽くす深淵の火
ロスト・オブ・ガール
月並みな幕引きを
息をする兵器
最果てまで彼の天
もう幽霊でもありません
地獄の肉体まで喰らわば
冬に取り残される夢
私の知らない魔法で撲って
アインスタインの花ぎらい
むこう側を花園と嘯く
ひとに売る花はない
春の棺で死んだふり
まどろみだけが空の水槽に残っている
満ちない夢のまま
お月さまのまいごたち
揺れる銀色を抱きしめたよる
飛行船がひそひそと話すことには
やがてはかなき紋章学
夜が歪さを保ったままだから
剥製の獅子には牙が足りない
未完成だから神様は要らない